「へえ、それは面白いね。
きみがほんとに泣かないか試してみようかな」


「う、受けて立ちます!!」



本当に救いようのないバカ。
お前みたいなチビが俺に勝てるわけないじゃん。


それとも本当に俺に泣かされたいとか?



「強がってんじゃねぇよ」


「強がってなんかないですから!」



怖がっているのがもろ顔にも行動にも出ているのにそれでも否定するなんて意味がわからない。


怖いなら怖いっていえばやめてやるのに。
そんなに否定されちまったら余計にいじりたくなる。



「ふぅん…じゃあ、今から俺とキスしてみる?」



俺がそう言ったら花蓮ちゃんは一度ぱっちりとした二重の瞳を大きく見開いて黙って俺を見つめた。


きっと、まだこの状況を理解出来てないんだと思う。
俺はさっき花蓮ちゃんの腰に手を回して彼女を自分の方へと引き寄せた。


だから、花蓮ちゃんとの距離は目と鼻の先ほどに近い。