「じゃあ、僕たちは行くから
流星はここでサヨナラだね」


「はっ…!?お前抜けがけはいけねぇぞ!?」


「そんなんじゃないから安心して。じゃあね」



抜けがけも何も俺がこんな年下で
ガキな女に惚れるとでも思ってんのかよ。


遊びに決まってんだろ。
最低だけど、コイツは俺のことは好いてないみたいだしちょうどいい。



「あ、あの…」


「まだ喋らないでくれるかな」


「は、はいっ…す、すみません…!」



謝りながら俺の隣で怯えている花蓮ちゃん。
なんとなく呼び捨てにはしてない。


いや、本当の理由は花蓮ちゃんがあまりにも弱そうだから呼び捨てにしづらい。


今だって俺が怖いのかギュッと自分の制服のスカートを握りしめているし。


こんなこと流星に知られたらバカにされるも思う。


『お前が“ちゃん”付けしてるとか、うける』って。


俺もそれは思うから何も言えないだろうな。
柄にもなく呼び捨てにしないなんて。