「澤井(さわい)先輩〜〜!!
おはようございます!!」
「律哉(りつや)くん〜!!おはよ!」
学校に着いた瞬間、先輩や昨日入学してきた後輩たちが俺の名前を呼んで手を振っているから俺はスイッチを切り替えてニコッと微笑んで「おはようございます」と返した。
すると、キャッキャッとバカみてぇにはしゃぎながら喜んでいる朝からうるさい女たち。
その中でアイツの姿を探すけど、見当たらない。
アイツ…チビだし見つけにくいのは仕方ないか。
なんて、思いながら教室に向かう。
「おーっす!
朝から王子様オーラ全開だな!」
俺の肩にポンッと手を乗せて声を掛けてきたのは流星だ。
俺は学校の中では本性を知っている人の前であっても王子様オーラでいる。
ただ、家に帰れば素に戻る。
まあ……たまに学校でも素が出るときはあるけど。