「まだKEIが好きなわけ?」



トイレから出ると、壁に背中を預け腕を組んだ巧が居た。



「え……」

「さっき言ってたじゃん。前にKEIが好きだったって」



あぁ。
その事か。


一瞬バレたのかと思って焦った。



「何か、男居るぽかったけど。それってKEIの代わりとか?」

「はぁ!?」



何を言い出すかと思えば。

圭矢の代わりって。



「まだ好きなんか、KEIが」

「違うよー」



あはは、って空笑いした。


内容は噛み合ってないのかもしれない。

だけど、圭矢の事を好きかって聞かれて、違うって答えたくないよ。



「違うくねーだろ。お前、顔酷い」



顔の血液がサーッと引くのがわかった。


笑っていた顔が、無表情になる。


何で、何でわかっちゃうの?


あたし、頑張って笑ってるのに。


何で気付くの?