「別に巧には関係なくない?」
この間、バイトで出会ったばっかりで。
すっごく嫌な奴で。
まぁ、ちょっと優しいけど。
遊んだのも、この間のゲーセンだけで。
あたしの事を何も知らない巧に。
どうして、そんな目で見られなきゃ駄目なわけ?
わけわかんない。
「俺が、お前の事好きだっつったら?」
「……えっ?」
暗くなった街がネオンで光る。
ライトで地面を照らして走る車。
周りで足早に歩く人。
そんな雑音だらけの真ん中で、聞き間違いだよね?
目を見開いたあたしが見たのは、巧の真剣な顔だった。
――~~~♪
その時、携帯が圭矢からの着信を知らせた。
「あ、ごめん」
慌てて鞄から携帯を取り出し、少し離れたところで通話ボタンを押した。