そして俺の胸から聞こえるクスクス笑う声。



「……どうしたの?」



不思議に思い聞いてみたら、悪戯な笑みをみせ見上げる雫。

その顔に首を傾げた。



「だって圭矢の心臓が爆発しそうなんだもん」



そりゃそうでしょ?

好きな子に抱きつかれてドキドキしないわけないでしょーが。


でも何だかバレバレだった事が恥ずかしくて、雫の額にデコピン。



「いったぁーい」



両手で額を押さえ、泣きそうな声を出すのにも無視して立ち上がった。



「圭矢!? ごっ、ごめんね?」



デコピンされたくせに謝りながら、俺の後を追って来る。


別に、怒ってるわけじゃない。

ただ、こんな真っ赤な顔とか、うるさい心臓とか。

今更だけど、さっきまで言ったかっこ悪い事とか……。

全部が恥ずかしくなっただけ。



キスも……何回もしたし。