そっと離した唇がキラキラ輝いているのに気がついた。
薄いピンクのグロスが、ほんのり染めた雫の頬と上手くマッチしている。
「あ……このグロス?」
「え? あぁ、うん。圭矢から貰ったのだよ♪」
やっぱり。
そう嬉しそうに答えた雫を見ながら思い出した。
このグロスを試した人達が言ってた。
『落ちにくくていい』
って言葉。
これだけキスをしても、取れないんだから。
大ヒットするのもわかる。
薄いピンクのグロスは雫によく似合ってて、思わず、
「やっぱ、雫にはこの色が正解だったよね」
なんて、言ってしまった。
キョトンとした顔で俺を見つめてるのに気付いたけど、
どうしたのかな?
それくらいにしか思ってなかった俺に、言われた言葉で焦った。
「え? これ余ったから貰ったんじゃないの?」
「え! あ……」
顔が赤くなったのが自分でもわかった。