涙を拭ってくれる圭矢の手を不意に掴んでしまった。
自然と絡まる視線。
自分でした事なのに焦っちゃって……慌てて顔を下に向け様とした時、
――初めてのキス。
突然過ぎて、目も開けたまま。
顔を傾けた圭矢の唇が、離れてあたしを見てるのにも止まったまま。
そして一気に熱くなる顔。
瞬きを何回も繰り返す瞳。
突然の事に、何が起きたのか一瞬わからなかった。
「目くらい閉じてよ」
頭をクシャクシャって撫でられ、悪戯に笑った圭矢の腕を掴んで
「次は……閉じる」
なんて大胆発言。
あたしの一言に、さっきの悪戯な笑みはなく、顔を赤くして
「それって、もう一回して良いって事?」
そう聞かれて、素直に目を閉じた。