「あーもしもし。すみません、風呂入ってましたー」



すぐにかけ直した圭矢の携帯から、マネージャーさんの声が漏れて聞こえる。



「え? 降板が出たドラマの主役に俺が……ですか?」



興奮したマネージャーさんの

『迎えに行くから』

その言葉が聞こえたあたしは、圭矢を見つめた。



絡む視線。



そして



「あーはい。わかりました。準備します」



あたしの目を見つめたまま、何の感情も込めないで言った言葉に哀しい笑みが零れた。