控えめにお風呂場のドアをノックして
「圭矢ー、あがってる?」
と聞いた。
「ん? 今あがったけど」
「あ、ごめんね。携帯鳴ってるんだけど。……マネージャーさんから」
「マネージャーから? 今出るからそのまま置いておいて」
「わかった」
すぐカチャっと小さな音を立てて開いたドアに視線を向けると、上半身裸の圭矢が首にタオルをかけて出て来た。
わっ、わわわ!
あたしは、それを直視出来ず
「携帯そこ!」
とだけ指差して、反対側を向いた。
だって、裸なんて有り得ない。
男の人の裸なんてドキドキしちゃうよ!