黒川くんは優しく私の肩に触れると、顔を近づけてきた。
目を瞑った黒川くんはやっぱりすごく綺麗な顔をしていて。
かっこいい…と思わず見惚れてしまう。
だんだんと近づくその距離に合わせて、私も目を瞑ると、
私の唇に優しく彼の唇が触れた。
胸がドキドキとうるさくて、体中が熱くなる。
もう何度もしてるのに、黒川くんとのキスはすごく特別で嬉しくて、涙が出てきそうになるほど。
ゆっくりと唇が離れると同時に目を開けると、トロンとした瞳でこちらを見つめる黒川が目の前に。
「チャック閉まってて本当に良かった。こんなの見られたら────」
「風邪引くといけないからって、さっきこうちゃんが閉めてくれたの。私昔からお腹弱かったりすぐ風邪引いたりしてたから…」
きっとこうちゃんは、まだ私のこと小学生と思ってる。
自分の体調管理くらいちゃんと───って言っても、
前に、風邪引いて倒れたところを黒川くんに保健室まで運んでもらってたこともあるし、やっぱりまだまだ子供なのかな…。