「さーらっ、そろそろ水着に着替えよ!」


「あ、うん…」


「なーに?南夏のこと?」


部屋のベッドで黒川くんのことを考えていたら、楓ちゃんが私の顔を覗いてきた。



「…うん。私、みんなと楽しい思い出作りたくて、黒川くんも喜んでくれると思って、こうちゃんに頼んだのに…いけなかったかな」



「いや!沙良は間違ってないよ!現にみんな楽しんでるよ?南夏はね、ただのヤキモチ。こうちゃん先生に沙良が取られないか心配なのよ」


っ?!


取られる?!


「そ、そんなことあるわけ…!」


「まぁ、心配しちゃう南夏の気持ちもちょっとはわかるけどね〜。沙良のそれは素だし、直せるものじゃないもん」


え?


素?


直せるものじゃない?


な、なんの話?!



「楓ちゃん、どういうこと…」


「いや、多分言ってもポカーンとしちゃう沙良の顔が目に浮かぶからやめとく」


「そんなぁ…」


「まぁ、あれだ。今から南夏の部屋に行って、チューの1つや2つやってあげれば機嫌なおると思うよ!」


楓ちゃんは私の肩を掴まえてドヤ顔でそう言った。



っ?!

チュー!?