「ほら、沙良って危なっかしいところがあるじゃん。だから心配なんだよね。突然紹介された彼氏の髪の色が銀髪で、口も相当悪いとかさ」


「…なんでそれを俺に聞くんだよ。沙良本人に聞けばいいだろ。なんで俺なのか、なんて」



「へぇ〜聞いていいんだ?」


なんだそれ。


不敵な笑みを浮かべてこちらをみる藤枝。


「じゃあ、そうするよ。お互い楽しもうね、夏休み」


「………」


藤枝はレジャーシートから立ち上がると、サンダルを脱いでから音楽たちのいる海に走って行った。



「…あー…すげー腹立つ」


小さくなる藤枝の背中に、低い声でそう呟いた。