「ごめんねー、こうちゃん。お兄ちゃん本当は、こうちゃんに会えて嬉しんだよ?ほらあんな感じだから、こうちゃんが引っ越してから全然友達できなかったし」



「んーどうだろう?俺のことがあってトラウマで友達作れなかったんじゃない?」



「えっ?」



「友達作ったら、そいつに妹取られるんじゃないかって」


っ?!



こうちゃんが、私の頬に手を添えながらそういうので、びっくりして目をパチパチさせてしまう。



「あ、ここ────。ちょっと小さい部屋だけど…」



「うん。知ってる。よくかくれんぼしてたし」


慌てて着いた部屋を指差すと、こうちゃんは優しい声でそう言った。



かくれんぼ──────。


そうだ。


こうちゃんはずっと、私とお兄ちゃんの遊び相手になってくれてたっけ。


昔はお母さんも仕事してて両親共働きで寂しい思いしてた私たちのために─────。



「あの時は、母さんが亡くなったばっかりで、父さんもすごく忙しくて家にいなくて…学校も引っ越してきたばかりで全然馴染めなかったから、だから2人と遊んでたあの時間がすごく幸せだったんだ」


…こうちゃん。