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───ガチャ
「ただいま〜!」
あれ?
玄関の下を見ると、見慣れない靴が1つ綺麗に並べられていた。
お客さん…来てるのかな?
「お母さ〜ん、誰か来て……」
「おかえり、沙良っ!」
っ?!
なんだかすごく懐かしい声が私の名前を呼んだ気がしてソファに座る人影に目を向ける。
そこには、黒髪の短髪がよく似合うメガネをかけた男性がスーツ姿でお母さんの入れた紅茶を飲んでいた。
9年前よりも随分大人っぽくなって…。
うそっ……。
「こうちゃん?!」
「おぉ、よかったー。忘れられてたらどうしようかと」
目の前の彼は、爽やかな笑顔で笑うとそう言った。
えぇ!
なんでこうちゃんがこんなところに?!
「覚えてるよ!ずっと遊んでたもん!」
「嬉しいね〜。それにしても、沙良随分可愛くなったね〜シスコン兄貴も心配だろ?」
こうちゃんは反対側のソファに座るお兄ちゃんにそう言った。