…―――キーンコーン
給食の時間になり、「いただきまーす!!」と皆給食を食べ始める。
成子(なるこ)は辺りをキョロキョロ見渡し、皆が夢中で給食を食べているのを確認していた。
そして誰も見ていないことを入念にチェックして大丈夫!と思った隙に手に持っていたパンを半分千切り、机の横にかかっているトートバッグに突っ込んだのである。
「あ~美味しい♪」
何もなかったかのように、もう半分のパンを食べ始めた成子。異変に気づいたののは幼馴染の裕太くんで、、、
「ねえ成子!何で最近そんなにパン食べるの早いの?」
一瞬ビクってなった成子だが、ここは平常心でいないとって小学生ながらにも思ったので平静を装う。
「だって給食のパンおいしいんだもん」
「ふ~ん、、、成子に食べる早さ負けるの悔しい!!!!!俺も負けないからな!!」
なんだ、そんなことでか、、、。パンを持ち帰ってるのがバレたのかと思った。
成子は胸を撫で下ろすように、ふぅと少しだけ息を吐いた。