「…何してるんですか?」
目の前に広がる光景に、私は頭が痛くなった。
「見ての通り、密談中」
「だよな?」なんて、首を傾げながら隣でしゃがみ込むサクラ生に話を振るのは、私達がよく知る人物で、
その姿はとても揉めてるようには見えない。
………。
戦ってるって聞いたのに!
険悪なムードだって聞いたのに!
サクラ生を心配したのに!
なのに、なのになんで…!
仲良くコーヒーなんて飲んでいるの!!!
「…先生がサクラ生を虐めてるって聞いたんですけど」
どこか騙された気分になってムカムカと腹が立ってきたけど、
この人達に怒りも戸惑いも見せたくなくて、努めて冷静な声を出した。
そんな私とは対称的に、
「そりゃひでぇ言い掛かりだ」と、金髪のその人は飄々と笑った。
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