『遊馬がいつまでも情けないからこんな事言われるんだよ。
俺としても、トップがこういう扱いを受けるのは不名誉だ。
という訳だから、今日、斉藤さんの所へ行くこと。
で、さっさとチャッチャと自分の物にして、威厳がなかろうと、貫禄がなかろうと、遊馬が1番なんだって所を見せ付けろよ。

いいね?』







―……今俺は、美丘の校門に立っていた。


『いいね?』なんて笑顔で言われて、魔王様に逆らえる訳ねぇっつーの……。


はぁ…。


名門のお嬢様学校を前に、崩した学ラン姿の俺は浮いていた。

激しく果てしなく不釣り合いなのが、自分でも分かる。



……ちゃんとキメてから来るつもりだったんだけど、な。



もっとも、敵は天下の斉藤鈴音。


恰好一つでどうこうなるとは思えないけど、それでも少しか有利に事を運びたかった…。



.