――さぞかしいい男なんでしょう?


ううん、そんなことはない。

サクラ生にしては珍しい落ち着いたダークブラウンの髪、私よりちょっと大きな背丈、笑った時に出来る目尻のしわが人懐っこい印象を与えるけど、特別格好いいというわけじゃない、いたって普通の容姿。

見た目だけなら、この間のナントカ君の方が良かった。

それなのに、私が彼を選んだのは―……




『鈴音ちゃん!』

「、え…?」

「どうしたの?ぼ―っとして」

気づいたらマコの暴走は終わっていて、代わりに訝しげに私の顔を覗き込むマナミとマコの姿があった。



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