「な~ん~で~すってぇえええ?!?!」


突如、地獄の底から這い上がって来たような低く暗い声が聞えて来て、背筋にゾゾッと冷たい刺激が走った。

…ものすごく嫌な予感。


「スズネ!!彼氏が出来たってどういうこと?!あなたって人はどうしてどうして、私の邪魔ばかりするの!入学式の時も、ばっちり決めた私より、ただ無造作に髪を伸ばしっぱなしにしているあなたの方が目立っていたし、体育祭の時は普段ぼーっとしているくせに、私を差し置いて飄々と100M走で1位になるし、学校祭では、同じメイドのコスチュームであるにも関わらず私以上に殿方達から声を掛けられて!!!!私の素敵高校生活を散々邪魔した挙句、自分だけ幸せになろうなんて1億と2千万年早いのよ!!!今まで付き合うことを頑なに拒んでいたアナタを納得させるなんて、さぞかしいい男なんでしょう?さぁ、いますぐ別れなさい。そして私に譲りなさい。あなたは一度どん底まで堕ちればいいのよ!!!」



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