「サトル君、なんだって?」
興味津々、だけどちょっと不安、という表情で電話を終えた私にマナミは尋ねてきた。
そりゃ、自分の彼氏が他の女を呼び出す、なんて気分のいいものじゃないよね。
出来れば話したくないし、触れられたくない話題だけれど、私が秘密にすることでマナミにいらぬ心配を掛けるのもどうなかと、しばし自問自答を繰り返し、こう答えた。
「なんでもないよ、ちょっと私の彼氏のことで話があっただけ」
『えぇぇ?!鈴音ちゃん、とうとう彼氏作ったの?!』
昼休みでガヤガヤとしていた教室が、マナミの大声によって一瞬に静まり返った。
…今日という今日は覚悟しなさい、マナミ。
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