丁寧な礼をして電話を切った後、聡は何も言わずにただこっちをじっと見つめた。

…昨日もあったよな、この嫌な沈黙。
あの時の斉藤鈴音のダンマリは、控え目に言って超きつかった。

俺らを取り囲む空気だけが静かな緊張感を持つ中、時間にしたら１分にもなっていないだろうけど、痺れを切らした短気な三谷が何か言おうと口を開いたその時、


「冗談じゃなかったんだね、驚いたよ」


と、たいして驚いてもいなさそうな平然とした顔で聡が言放った。


「う、嘘だろぉぉぉおおおお」と喚いている三谷の傍らで、「昨日のあれは夢じゃなかったんだ」とほっとしたのも束の間。



俺は重要なことを思い出した。



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