「本当っつったら本当!なんなら本人に確認してみろよ」

そう強気の態度に出た俺に、

「そうする。遊馬の証言だけじゃ信用出来ないから」

と言い放った聡は、もう何っていうか、天に召されればいいと思う。

そんな不満だらけの俺を余所に、「あ、愛美?悪いんだけど斉藤さんに代わってくれるかな?」

なんて話を進めるのは流石魔王様、といったところか。

って、

『はぁあああ?!』

重なり合った俺と三谷の声。
なんで聡が普通に斉藤鈴音とコンタクト取ってんだ!

ちょっとしたパニックに陥っている俺らを魔王は鬱陶しそうに一瞥すると、また電話の向こうの相手に集中し出した。

時々うんうんと相槌を打つ聡の声は聞こえても、斉藤鈴音が何を言っているのかまでは聞こえない。

昨日のやり取りが夢だった、何てことはない、よな?




「うん、分かった。どうもありがとう」