「おーい!新井〜!待てー!」

なぜか後ろから先生の声が聞こえる。


無視しよ無視しよ。


「おい!待てコラ!」


肩をガシッと掴まれた。


『もう!なんなんですか!?』

「お前、これ忘れてっただろ。」


そう言って渡されたのはヘアピンだった。

『あっ私の。。。』

「さっお前が焦って出て行ったときに落としてったんだぞ。」

『ありがとございます!』

思わず笑顔で言ってしまった…

だってお気に入りのヘアピンだったんだもん。
先生に笑顔で言ったんじゃないない。

すると先生はニコっと笑い返して

「お前は笑ってる方がいいぞ!」

って言って、また髪をクシャってしてから歩いてった。


私は今度はなんも怒らず、なんか思わずまた笑っちゃった

なんかあの人いい人なのかもなってちょっとだけ思った。

の、かもしれない。