「いや、夕日以外全員知ってるん

じゃないのかな?」

「そうなの?そんなに有名?」

人見知りな私は男子と喋ったこともないから

もちろん知らない。

「ほら!あそこにいる子だよ!」

綾乃ちゃんの指の先には

窓に寄りかかりながら

外を見てるイケメンがいた。

「わぁ。すごいカッコいいね」

「でしょ?でもね、実は「よし!学級委員」」

綾乃ちゃんの言葉を遮ったユキちゃんの

大きな声が聞こえた。

どこから声出したらあんなに声が

出るんだろ〜?

「…ひ!ゆーひ!夕日!」

「はい!」

「呼ばれてるよ!」

あ!そうだった!

急いで前に行くと、

さっきのイケメンさんがユキちゃんの隣に

いて、その隣に同じように並ぶ。

「ちっ」

ん?今舌打ちされた?慌てて隣を見ると、

イケメンさんの澄んだ顔。

あれーおかしいな?

先生はみんなが席に着いたのを見て

「この2人がこれから1年、1年C組を

引っ張っていってくれる学級委員だ。

ほら、挨拶しろ?」

イケメンさんは口を開き、

「矢原 奏真」

そ、それだけ?