「その時ね、すごく優しい男の人が

助けてくれたんだ。あ!そうだ!

あの人にお礼してない!あ、あの人の名前

聞いたのに、忘れちゃった!どーしよ?

どーしよ?ねぇ、そうまくん?」

「ははっ。こんな名前の人だったんじゃない?

矢原 奏真。」

「そう!ってあれ?そうまくん!?

そうまくんなの?」

「そうだよ。」

「うっそー!確かに同じ制服だったけど」

「お礼、なにしてくれんの?」

「え!そうだ!何か欲しいものとかある?」

「えー!?」

「なんでも良いよ!高すぎるもの以外

だったら」

「なんでもいいの?」

「うん!」

「じゃあ、今週の夕日の土日、
俺にくれない?」

「え?なんで?」

「夕日とどっか遊びに行こっかなと思って」

「え!行きたい!行く!」

かわいい。 デートだって分かってるのかな?

「デートだよ?」

「デ、デ、デート?」

「俺はデートだって思ってるけど。」

「バカ!」

「そうまくんは土日、空いてるの?」

「空いてるから聞いてるんだよ」

「ははっそうだね。部活とか入ってないの?」

「入ってないよ。夕日は?」

「ううん。入ってないよ。中学校のとき、

何入ってたの?」

「中学?バスケ部だったよ」

「バ、バスケ?」

「うん。そうだよ。どーかした?」

「ううん。」

いや。これは何かあるな。