「どーする?晩飯。」

「あ、自販機!」

「山中、ナイス!」

そう。私たちの学校の自販機は

なぜか分からないけど24時間動いていて、

パンが売っている。

「確か、玄関の近くだったよね。」

「あ、あったぞ。」

お財布だけは、ブレザーのポケットに

入れていたから、そのお金でパンを2つ買った。

矢原くんもパンを2つ買った。

2人でベンチに座って食べていると

「寒くない?」

「そうだね。結構冷えるね。」

そう。冬は終わったといっても、まだ4月。

それも夜になればまだ寒い。

「山中、自習室行こっか?」

「あ、ほんとだ!」

他の部屋の照明や暖房は全て職員室で

管理するんだけれど、自習室は机ごとに

ライトが置かれていて、

暖房も部屋でつけることができる。

それに自習室は、多分開いてるはず。

四月の初め、ユキちゃんが戸締りの時は

ユキちゃんの性格上、家庭科室、教室と職員室、玄関、門

以外は閉めてないらしい。本当、ダメだよね。

まあ、でもユキちゃんのおかげで図書室や

自習室は使えるってこと。

2人で3階の自習室に行くと

やっぱり開いてた。

全部の机のライトをつけて、

真ん中らへんの机のイスに2人で座って、

パンを食べる。

「あ、委員会のノート書かないと」

カキカキ

黙々と書いていると、矢原くんも

食べ終わったらしい。