慌てて振り返ると、

「こっちだろ?何やってんだよ」

と、低い澄んだ声がして顔を上げると

イケメンさん!

腕を引かれながら、階段とは反対方向に

歩いていく。

「あ、ありがとう」

「別に」

「な、なんで分かったの?私が迷子だって」

「別に」

別に別に攻撃を受けながら歩いていると、

「お前たち!遅い」

隣の教室の先生の声が聞こえた。

あ、この人なんだー

「すいません」

謝ってると、矢原くんはスタスタ

後ろの方の席に着く。

なんだろう?勝手だな〜なんて思いながら、

矢原くんの席の隣に座ると、メガネをかけた

隣のクラスの先生、通称もりちゃんが

「大体なぁ、矢原!お前、一度来たのに

また戻っただろ?」

え?そうなの?