泣きそうなほどに、目が潤っていた。

 真剣に俺を見つめ、必死にすがりつこうとしているその姿は、本気で俺に惚れているのが伝わってくる。

 ノゾミはまだ幼げで、あか抜けもしてない。
 飛び切り美人でもないし、特別目立ったかわいさもない。

 ただ素朴で、真面目で、儚げで、なんというのか、ひょろひょろとした白いアスパラガスみたいでひ弱に見えた。

 過去に色んな女から告白されたが、それなりに自分に自信のある奴が多かった。

 その女たちの中でもノゾミは俺に声を掛けてくるのが意外なほどに、あまりにも平凡だった。

 でも不細工というほどでもなく、まだ磨かれてないダイヤモンドの原石を思わせるものがある。
 この先成長すれば、それなりに気品のある落ち着いた女性になりそうだった。

 今時のキャピキャピした女子高生らしい派手さがあるよりも、上品で清楚な部分の方が俺はまだいいと思う。

 俺は彼女を観察しながら、この状況を冷静に見ていた。

 一億円──

 なぜ故にこの値段が飛び出したのか、そして三ヶ月という期限付きの付き合いを要求。

 なんだか、あり得ない展開に急に興味が湧いてくる。

 面白そうかも。

 そして、この必死になって全力投球してくる態度も大いに印象つけられた。

 かなりの覚悟をして勇気を振り絞っているのが伝わるし、そこに切羽詰まった命がけの真剣さがあった。

 一体どんな女の子なのだろうか。

 却って興味が湧いてきたかもしれない。