「ふたりだよ」

「じゃあ、ふたついるでしょ?」

「ああ~たしかにそれもありだな」

オニイチャンはやっと納得する。
そしてフムフムとうなずきながら
「つかってやるよ。明日」

とうそぶくようにいうと二階に上って行った。

これでとうとう三年間、お兄ちゃんの正式?なコンサートには
文化祭も含めていちども行くことができなかったわけだ。

何たる不運、ツキのなさ。わたしは運命を心底のろいたくなった。