「そんなつもりじゃありません!」
ケイトリンが怒鳴ったひょうしに、かけていた布団がはらりと床に落ちた。彼女の肢体が露わになる。レイフは、一瞬ケイトリンから視線をそらし、「悪かった」と口にした。
「いえ、私こそ大きな声を出して。でも、あなたは義賊なのでしょう? 私が渡すのが気に入らないなら、このペンダントをもう一度私から盗んであの子供たちに渡してください」
ケイトリンは、先日兄と共に孤児のいる教会を訪ねたことを話し始めた。その日暮らしの子どもたちが大勢いることに衝撃を受けたこと、なんとかして子どもたちの役に立ちたいと考えていること。話を聞き終えると、レイフは念を押すようにゆっくりと確認する。
「本当に・・、いいのか?」
「はい。その方が、すっきりします」
ケイトリンは、きっぱりと肯定したあと、少し俯いた。美しい髪が、さらりと流れる。
「あの、以前、私が敵だとおっしゃったのは、私が贅沢をしているからですか?」
これで、会話が終了になると思ったケイトリンは、思い切ってレイフに尋ねた。レイフは、ケイトリンから渡されたペンダントを握りしめ、間をおいて立ち上がる。
「いや、そうではない。お前がロッソの娘だからだ」
「お父様の?」
ケイトリンが怒鳴ったひょうしに、かけていた布団がはらりと床に落ちた。彼女の肢体が露わになる。レイフは、一瞬ケイトリンから視線をそらし、「悪かった」と口にした。
「いえ、私こそ大きな声を出して。でも、あなたは義賊なのでしょう? 私が渡すのが気に入らないなら、このペンダントをもう一度私から盗んであの子供たちに渡してください」
ケイトリンは、先日兄と共に孤児のいる教会を訪ねたことを話し始めた。その日暮らしの子どもたちが大勢いることに衝撃を受けたこと、なんとかして子どもたちの役に立ちたいと考えていること。話を聞き終えると、レイフは念を押すようにゆっくりと確認する。
「本当に・・、いいのか?」
「はい。その方が、すっきりします」
ケイトリンは、きっぱりと肯定したあと、少し俯いた。美しい髪が、さらりと流れる。
「あの、以前、私が敵だとおっしゃったのは、私が贅沢をしているからですか?」
これで、会話が終了になると思ったケイトリンは、思い切ってレイフに尋ねた。レイフは、ケイトリンから渡されたペンダントを握りしめ、間をおいて立ち上がる。
「いや、そうではない。お前がロッソの娘だからだ」
「お父様の?」