ピピッ、と自動改札機にICカードをタッチし、

駅から徒歩5分という、立地のよいマンションを目指し歩く。



駅から5分で、家賃はそこまで高くなく、なおかつエントランスはオートロック式なので

夜でもまあ安心だろう、ということで両親が一人暮らしをする際に許してくれたのがそのマンションだった。


マンションの前に着くと、またロックカードをスキャンさせ、エントランスの扉が開かれるのをまち、中に入る。


そして5階までエレベーターで上がって、503と書かれた部屋の前で歩みを止め、キーを差し込む。


「...ただいま。」


誰もいない部屋に響く私の声。