彼女、藍川優花は現在スクールカーストのトップに君臨している。


父親が県会議員をしていて、何かと融通が利くのだ。


先生もクラスメイトもみな、彼女の機嫌を損ねないよう、細心の注意を払っている。


もちろん、私もその中の一人。


こうして同じグループにいられる事すら莉奈にとっては奇跡であり、決して引く事は出来ない立ち位置なのだ。


「で、何の話?」


「うちのクラスに橘栞っているじゃん?」


「ああ、あの大人しい子?」


確かにそんな生徒がいたかもしれない。