窓を叩く強い雨はまだ続くと、イヤホンで聞いていたラジオの声が伝えている。


今朝の天気予報では降水確率0パーセントだったはずなのに。


あーあ傘持って来ればよかったな……


「ちよっと莉奈、聞いてる?」


そんなことを思ってたらこんな前の席の優花に話しかけられた。


「あ、うん……何の話だっけ?」


「……やっぱ聞いてなかったんだね」


優花が大きなため息をついたのを見て、莉奈は慌てて「ごめん」と謝った。