生まれた時ら一緒で




小中高離れたことはなくて




何でも話せる"幼なじみ"





私は今日もそんなあなたに片思い中。


「うわっ、遅刻っ。」




ピピピピ...と鳴り響く目覚まし音。




時計の針は6時を回ったところだった。




「今日って新学期じゃん。」




さっさと身支度を済ませて彼のいる隣の家を訪れる。




「おい、起きろ。」




揺さぶっても起きない彼。




「アキ!」




「ん〜。うるさ。」




寝起きの悪い彼。原本 アキ(ハラモト アキ)





「ちょっと、さっさと起きて。今日新学期。」




「うわっ、まじ。もっと早く起こせよな。」




なんて頭をかいていてもイケメン。


「ねぇ、アキ緊張する。」




「は?クラス替えくらいで。」




たかがクラス替え、されどクラス替え。




「あ、真美!おはよう。」




田中真美。(タナカ マミ)




私の中学の時からの親友。




「あ、ハル!」




あ、私 野田 ハル (ノダハル)





「見た?」




「うん!また一緒♪」




「え?!ほんとに?やった!良かったぁ。」




「あ、ちなみにあんたのイケメン君もね。」




"イケメンくん"きっとそれは彼のこと。




「えぇ。またか。」




「またかってなんだよ。」




ぺしっと頭を叩かれる。






「ほんと2人は仲良しだよね笑。」




なんて笑ってる真美。




私はこの時まだ気づいてなかった。




自分の気持ちになんて。




気づく余裕なんてなかった。



「ねぇ、アキくん。」




「なんだよ。」




「まさか隣なんてさ。ちょっと笑えないよね。」




なんて苦笑いだ。




「あぁ、最悪だな。」




ズキッと痛む胸。




あれ?なんか...。




「は、冗談だって笑。知らない変な女よりハルで良かったわ。」




笑った彼に不意にもドキッとしたのは




私だけの秘密。

「なぁ、今日家行っていい?」




突然アキがそんなこと言うから




「え?」




「今日母さん居ないから。ハルの家行こうかなって。」




「あ、あぁ。いいよ!おいで。」




家行っていい?なんて普通の人からしてみれば



仲のいいカップルじゃんか!




なんて思ってるのは私の頭の中だけ。




こんなの私たちには当たり前で、普通の事になってしまった。