「…絆奈をメイドにするのはやめてくれる?」

「え……」

「海音?」


別に、おごりとかじゃないけど。

いつもの調子で、てっきり「絆奈ちゃんをメイドにしないと僕が殺すよ」とかぶっそうなことを言うのかと思ってた…。


「う、うん…? ていうか、絆奈ちゃんはそれでいい?」

「あ、う、うん…!」

「わかった!! 他の人はなにか立候補とかない?」


満足げにストンと座るかいとくん。

もしかして、私の気持ちを察してくれた……のかな…?

そのとき、胸がきゅんと小さく音を立てた。


…のも束の間。


「……ということで!!」


スムーズに話し合いが進んだかと思ったときでした。


「絆奈ちゃんと暁君には、申し訳ないけど衣装に必要なものとか、料理とかの買い出しにいってもらってもいいかな?」

「へ!?」

「承った」

「かいとくんとですか!?」