「あなた、私の言葉、ちゃんと聞いてたの?」

「え……だから、その…」


―――こんな子の……


「『そんなんじゃ、あなたを好きな海音の気持ちがバカみたいじゃない』って、言ったでしょ?」

「あ……」


少しだけ、須田さんの口角が上がる。


「私は、海音が好き。振り向いてもらいたくて、私を見てほしくて毎日必死よ。
それなのに、あなたは何? 目立ちたくない、恥ずかしいの一点張りで、一度だって海音の気持ち、考えたことあるの?」

「っ…!!」


胸に、響いた。

須田さんの言うとおりだと、素直に思った。


はじめからかいとくんを避けてたのだって、目立ちたくなかったから。

私の都合だ。


「で、でもかいとくんみたいな人が私を相手になんてするはずないし…きっと遊んでるんだよ……!!」

「そんなこと、海音が一度でも自分の口から言ったの?」

「……」


ピシッと、須田さんの言葉が刺さった。