「海音は、本当にあなたに惚れてるから」
「………う、嘘、そんなの信じられない…!!」
私が首を振って須田さんの言葉を否定すると、須田さんはぴくりと眉を動かして私を睨んだ。
「だ、だって、私だよ? 須田さんも体育祭の日に言っていたでしょ?」
―――こんな子の、どこがいいわけ?
ずきんと胸が痛む。
私は所詮、「そんな子」なんだ。
地味で目立たなくて大してかわいくもなくて。
目の前にいる須田さんの方が、あの人気者のかいとくんにはお似合だよ…。
「…あなた、バカじゃないの?」
「な…っ」
いつも以上に大きなため息をついた須田さん。
「ほんと、だめね!!」
「し、知ってるよ、自分のだめなところくらい…!!」
なんなら、今から100個以上言えるよ!? と言えば。
須田さんは目を閉じて首を横に振った。