「ご、ごめんねかいとくん……少し遅れちゃって……」


と、とりあえず離れて~!!


「んーん、僕が勝手に2時間前から待ってただけだから」


そんな私とは正反対に、抱きしめる力を強めるかいとくん。


「か、かいとくん…とりあえず、その…苦しい…」

「もう、僕で窒息する?」


そう言うと、私の顎をくいっとあげ、じっと見つめてきた。


「や、それは、ちょっと……」


それを必死で拒み、やっとかいとくんから逃れる私。


「それにしても僕は嬉しいよ。やっと絆奈とデートできるんだから」


そして、笑顔でそう言った。

私はみるみる顔を赤くする。

デートなんて……一生使うことのない言葉。一生縁のない言葉。

それをこの人は…かいとくんはこんなにも簡単に口にする。