只今、会議中。



まだズキズキしてる、私のこめかみ。


絶対本気でやったよね、部長。


本当は舌打ちしたかったし、やり返したかった。



でも上司と部下っていう壁があるから睨むことぐらいしか出来ない。




あとで真凛に訴えてやる!



いや、真凜も私を見捨てたわけだから……。


でも愚痴言えるの真凛ぐらいしかいないからな〜。


友達はいるけど、みんなも忙しいだろうし、暇な時間なんて合いそうもない。


あー、いつメンに会いたいな。





「おい、姉田(アネダ)!」


「う、わ、ハイ!!」


「さっきから質問してんだけど、聞いてたか?」




ヒィ。

部長の顔がどんどん引きつっていく。




もう怖いよーっ。怖い。とにかく怖い。


そして、ばか。私の馬鹿!





「す、すすす、すみませんっ!完全に聞いてま、」


「ふーん、いい度胸してんな」


「っ」




ごめんなさい、みなさん。
私のせいで穏やかな雰囲気をピリピリにしてしまって。



会議室にいる先輩同期方にそう心で謝る。



黒い影が私の横に見えた。


やばい、そう思った時にはもう遅くて。




「ぎゃあああっ、ご、めんなさい!本当にすみませんでしたっ!許してください!ちゃんと集中しますから、〜〜っ」


「……じゃ、続ける。姉田はほっとけ。今はそこで反省してろ」



痛むこめかみを押さえて、少し離れた部長の声を耳にする。


うう。今日ほんとツイてないよ。


みんなごめんなさい。


そんな哀れな目で見ないでください先輩方……。



つらいです。