これのどこが私なんですか!




そう聞いたら、『どう見たっていつもしてるバカ面じゃん』って笑って言うから、強く握りこぶしを作った。





とてもいい気分じゃないよ、まったく。




ほんと、嫌い。大っ嫌い。




そう思いたいのに、やっぱり大好きで、大好きすぎてしょうがない。




部長。あの言葉はどんな思いが詰まってたんですか?



あれは私の幻聴なんですか?




私、好きすぎて困ってるんですよ?




部長の言った『困る』はなんですか?


目障りってこと?ばかすぎて?役立たずすぎて?




『早く俺のものになればいいのに』って現実で言ってくんないんですか?






──ピロン。





マヌケな顔したウサギのストラップをかざしながら言えなかった思いを胸のうちで告げていると、部屋中に着信音が響いた。