……が、がんばったよ。私。誰か褒めて。




白目を向きながら車内でぐったりしてるその姿に隣で部長は笑っている。




なんて酷い人なんだ。



人の屍をみて大いに笑っているのはどうかと思いますよ、部長……。





くっ、これが上司の余裕っぷりってわけですかっ!




あー、もう動けないー。

足が、鉛みたく重い。




幸いなのは車内が涼しいってこと。




最後の店舗、十五店舗目はこれまた酷くて、超ロングの傾斜だった。




しかも、さらに階段付き……。




最後の方は本性丸出しで、部長はその様子を面白そうに上で待ってた。




超ムカつくんだよーっその待ち姿が!




腕組んでさ、なんかすんごいカッコつけて立ってて、心の中で『モデルか!!』って突っ込んでしまったくらい。



カッコよすぎる。


だめだ。私もう好きすぎてる。認めたくないけど、凄く好きになっちゃってる。



もう一度言うけど、これはデートじゃないよ。仕事です。


そう、仕事上のお付き合い。




それなのにかなり楽しんでる私は……。




「バカ面してんぞ」