帰りは、駅まで送ってくれた。


初めて部長の車に乗った。


部長の香りがした。程よく心地のいい石けんの香り。

そりゃ当然だ。彼の車なんだから。



車内は特に会話なし。


正直、助かった。今の私じゃ喋る気力すらないから。


チラッと横目で運転する部長の姿にいちいち胸が高鳴って、うるさかった。



認めてしまった。

私の気持ち。





しかも、泣いちゃった……。




今すぐ記憶を消してほしい!部長の中からも!今すぐ!!



帰宅した私はベッドにダイブして、枕を殴る。





「こんなはずじゃなかったよ!バカー!」



ばか。自分のバカ!


うおおお、もうこうなったらっ!





──ばふっ。




寝るに限る!


おやすみなさい!




夢の中にまで出てくるようだったら明日会社行かないから!