「ご、ごめん!私行ってくる!これで払って、お釣りあげる!ありがとう!ごちそうさま!!」
思いきり走った。
猛ダッシュなんて去年ぶりだ。
なんで走っているのか不思議なんだけど、今はとにかく部長を見つけないとっ。
聞いてないし、異動なんて!
聞くなら部長の口から聞きたかった。
嫌いなのに、なんで私はこんな必死なんだろ。
『恋愛』
真凛の言葉が脳裏をよぎった。
まさか!
ありえない。私が部長を?
嫌いだよ。苦手だもん。会いたくないもん。
……わからない。私の気持ち。
ぐるぐるなまま私は部長室の前に止まった。