「で、どんなキスだった!?」


「…………」





あの、聞いてましたか?私の冒頭を。


私が真凜を呼んだ理由を?




【相談あるからお昼付き合ってください】って昨日送ったよね?




真凛はスタンプだけだったけど。



その男の子『何時間でも聞いてやるよ』なんてボイス付きで言ってたよね?



私はそれを真凛だと思って信じてたんだよ?





「はぁー。もういいや止めだやめ!この話終わり!」




悔しくてラーメンを口いっぱいに頬張る。



これだからリア充は!


そう真凛は去年のクリスマスから例の人と付き合うことになったんだよ。


そりゃ嬉しいけどさ、今は憎い!

もう泣いてやる!





「……美紅それは引くから」


「──ズゾゾゾゾ」


「凄く汚ったない」


「──ズ、ズルルル」


「はぁ、てかさ、その鬼口部長来月異動するんだってね」


「ズっ、ぐふっ、ゲホゲホ……!」





っ!?!!


ちょ、まって。いま、なんて言った!?


なにそれ、聞いてない。


異動?どこに?




「……美紅、聞いてないの?」




聞いてないもなにも、そんな気配すらなかったよ?