「先輩、大丈夫ですか?」
「え?あ、うん。大丈夫大丈夫ー」
休憩タイム。
今日こそ仁田くんとランチルームでお昼を食べてる。
丸いテーブルを挟んだ状態で向かい合う私たち。
「ほんとですか?なんかいつもの先輩らしさないです」
「そうかな?全然元気だよ!?」
ほら、と言って元気アピールをする。
「フリだけは誰でも出来るんですよ?笑顔が見えないですよ今の先輩」
…………。
ちょっと、なに今の発言!
え、かっこいい。
いや、見た目もかなりかっこいいけど、言葉が胸に突き刺さった。
『フリだけは誰でも出来るんですよ』
うん、確かにそうかもね。
「鬼口部長、ですか?」
「はい!?」
なんでここで部長が出てくるの!?
それに今は聞きたくない名前だ。
私は違うよと首を振った。
「あ、先輩。今度どっか遊びに行きませんか?」
この子いろいろ話飛ぶな〜。
ま、助かるんだけどね。
「いいね!どこ行こっか?」
そう言ってスケジュール帳を取り出して空いてる日にちを探す。
んー、今週はダメだね。
来週の土日と……再来週の水金は空いてるなー……。
「あれ?どうかした?」