お昼は結局ランチルームには行かなかった。
違う、行けなかった。
1人になりたくて。
馬鹿だ、私。
なに変なこと言っちゃったんだろう。
それに……。
部長の表情が、忘れられない。
なんでそんなに苦しそうなの?
キスだってそうだ。
なんで、キスなんか。
私のこと馬鹿にしてるくせに。
なめてるくせに。
嫌いなくせに……っ。
──ぐりゅりゅりゅ〜。
お腹が鳴った。
帰宅してから何も食べてない。
食欲ないのに、体は正直で半ば呆れる。
今日は煮込みハンバーグだって朝お母さん言ってたのに、しかも凄くご機嫌に。
その理由は好きな芸能人のサイン会へ行ってくるからというわけなんだけど。
なんか申し訳ないな。
微かに香るデミグラスソースにすら湧かない。
あぁ、早く休みが来ないかな。
会いたくない。
怖い。
苦しい。
でも……。
明日が来てほしくないと願いながら意識は遠のいていった。