休憩タイムに入るとみんな一斉に散らばる。
私は仁田くんにジャケットを返すとともに昼食を誘われたからそのまま会議室を出ようとした。
「姉田」
「はい」
部長が後ろから呼んだ。
はぁ、今度はなんだろ。またダメ出し?
別にいいけど、後でじゃダメですか?部長。
そう込めて小さく息を吐く。
「ごめん、先にランチルーム行ってて。後で向かうから」
仁田くんには申し訳ない。
後で何か奢ってあげよう。
快く頷いてくれた彼とそう待ち合わせを交わし、見送ってから部長の元へ向き直る。
「なんでしょうか、部長」
そう聞いても黙ってるだけで、目すら合わない。
それに何故か寂しくなった。
なんでかな。
……あぁ、久しぶりに会えたからかな。
5月以降ほとんど顔を合わせていない日々が続いてたから。
部長は部長でちゃんと仕事してるんだな〜だなんて今更ながら思ってた。
だって、会議以外に何してるのか何やってるのか見たことないもん。