「はい、これ」



その声と共に触れた頬に小さな悲鳴をあげた。




「な、何するんですか!」


「ん、お礼」





頬はまだ冷たくて、手に置かれたそれも冷たい。


ただのミネラルウォーターだった。




「悪ぃな、財布カバン中だったから」




頭をかきながらそう言う部長がなんだか可愛く見えてしまった。




私おかしい。
どうかしてる。


なんでドキドキ再発してんの。





「あ、ありがとう、ございます」


「ん」



素っ気ない返事にまたわけのわからないドキドキと高鳴る。




顔が熱い。


ほんと、私どうかしてるよ……。