チクショウ。
何なのもう。本当に心臓に悪いんだから。
やだ、どうしよう。なんでだろ。なんでまだドキドキしてるの……。
手は自然と胸に当ててそれで速い鼓動を感じる。
「はぁー」
トイレから部署へ戻ろうと思ったけど、Uターンさせた。
自販機だ。
缶コーヒー頼むんだったらなんでさっき買わなかったのかなあ!
使えない部下だからって顎で指図とか、まぁ、慣れましたけどね?
でもムカつくもんはムカつくもん!
──ガコン。
あ、……。
取り出したのは、ミニペットボトルのカフェオレ。
さ、最悪!
まじ、ほんと何やってんの、私!
ボーッとするのにも程があるでしょーよ!自分!
「……いいや、これは自分ので」
そう呟いて100円玉を入れた時、部長の声が聞こえた、気がした。